隠れているから面白い その3

話は長くなり、少し脱線するが

私の子供に当時、子供の間ではやりのハリーポッター
の小説を読ませても、まったく興味をしめさなかった
のだが、映画を見て、断然ファンになってしまった。
映画の出演者と同世代であり、出演者と同じ様に
成長して行くのでファンになったのだとおもって
いたのだが、実のところはそうではなかった。

ハリーポッターに限らず我が子は、あまり本に興味
を示さない。
いろいろ見ていてわかったのだが、
本を読んでも物語の情景を頭の中で作れない
のである。
つまり、漫画世代のわが子は、活字から場面を作るの
が苦手なのである。
(本を読むなら挿絵が多い本を好むのである)
これは物語を出来上がった情景で表現する劇画に
慣れている世代の欠点であることがなんとなく
わかってきた。


私は、小説や物語は、読み手の数だけ物語がある
と思っている。だから、いろいろな人に元の物語
から読み手なりの物語を作らせる力がある小説ほど
素晴らしいと思っている。(自分を主人公にして、
周囲に役所広司や、渡辺健を配置したりして)
逆にいえば、小説が映画化されるとその物語の
幅や奥行は一機になくなってしまって魅力が半減
するような気もするのである。

現在は、情報の入手を漫画を超越して画像で
得る様になってきている。
そんな今の状態が、ますます社会を薄っぺらに
してく様な気がしてならない。