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ドライアイを治すには
① 水分を補充する。
② 涙を目の表面に長く保持させる。
1)蒸発を防ぐ。
2)表面を親水性にする。
目の表面を覆っている涙の層は、三層に分かれています。
一番外側が油層、間に位置する涙液層、そして内側にあるムチン層です。
主な働きは以下の通りです。
油層 涙の蒸発を防ぎます。
涙液層 涙で満たされている最も厚い層です。
粘液層(ムチン層) 涙を目の表面に保持します。
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ドライアイの治療は、いかにこの三つの層を維持できるかにかかっています。
まず、水分の補充ですが基本は防腐剤無添加の人工涙液(ソフトサンティア点眼液など)とヒアルロン酸の点眼液(ヒアレイン点眼液やティアバランス点眼液など)です。
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ヒアルロン酸点眼液をまず先に行い、約1分後、ソフトサンティア点眼液を点眼します。そうすることによりヒアルロン酸の保水性を十分に生かすことができ、また防腐剤を希釈することができます。
注意 ① 防腐剤を含むヒアルロン酸点眼は一日6回を限度としてください。
注意 ② ドライアイが重症になると糸状角膜炎という状態になることがありまが、ヒアルロン酸点眼は上皮のターンオーバーを低下させムチンの蓄積が増加しますので、ヒアルロン酸点眼液は使わないようにしてください。
そして蒸発を防ぐには油層を充実させないといけません。
油層の治療には、眼軟膏の塗布が効果があります。
最後の目の表面を、親水性にするための目薬ですが、現在、まだ市販されていませんが開発中となっています。
① DE-089 (P2Y2 受容体作動薬)
角膜や結膜の上皮からムチンの分泌、水分の分泌を促進します。
現在、治験は終了しましたので、近いうちに処方できるようになるかもしれません。
② OPC-12759 点眼液、エカベトナトリウム点眼液
粘膜保護剤
現在、胃薬として使用されているお薬(胃粘膜保護剤)をドライアイ治療用の点眼薬として応用、開発中となっています。
従来のドライアイ治療薬は「水分補充型」が主流ですが、現在、様々な点眼薬が治験、開発中です。今後のドライアイ治療薬の広がりが期待できそうです。