今月の壁レコード~オールマンブラザーズバンド特集 (2013/09/30)
投稿者: kiribuchi
秋らしく、朝夕はかなり過ごし易くなって参りました今日この頃、皆様如何お過ごしでしょうか?
あれだけ暑く、熱帯化しちゃったんじゃないか?なんて言われてましたが、ちゃんと秋が来るんですから、日本は凄い国ですねえ・・・。
さて、秋を連想させるジャケット、何があるかなあ?と思考しますと、真っ先に思い出すのはベタな所ではシャンソンの「枯葉」なんてありますが、生憎エディットピアフのジャケットにいいものが無く、何か無いかなあ?とレコードラックを物色してたら、いいのが見つかりました!
先ごろマニア感涙のデラックス版が発売されたばかりのオールマンブラザーズバンドの名盤「Brothers and Sisters」です。
1973年に発売され、見事全米№1に輝いた素晴らしい作品です。
ジャケットは恐らく所属するキャプリコーンレーベルのホームグラウンド、ジョージア州メイコンで秋に撮影されたと思われます。
ゲートフォールド中側にはメンバーとクル―の家族集合写真が見られますが、表ジャケットの男の子(Brother)は、ドラマーのブッチトラックス(因みに私の学生時代の綽名もブッチでした)の、裏ジャケットの女の子(Sister) は、アルバム制作中にデュエインと同じようにバイク事故で惜しくも他界したべ―シスト、ベリーオークリーのお子さんだそうです。
オールマンブラザーズバンドはその名の通り、デュエインとグレッグのオールマン兄弟を軸に、後にリーダーシップを取る事になる腕利きギタリスト、ディッキーべッツ、先に紹介したベリーオ―クリー、ブッチトラックスと、もう一人の黒人ドラマー、ジェイモーの6人で確かフロリダ州のジャクソンビルで結成された、サザーンロックを代表するバンドです。
ジャクソンビルは同じくサザーンロックの雄、レ―ナ―ドスキナ―ドも結成された凄い町です。
私は留学時代、同地で開かれたシェリルクロウのコンサートを観に行った位で、あまり足を運ぶ機会はありませんでしたが、かなりでかい町です。
デュエインオールマンのギターの腕前は素晴らしく、南部のスタジオミュージシャンとして、アトランティックやスタックスのソウルアルバムに沢山演奏が残っております。(後で紹介する「アンソロジ―」に収録されてます)
ロックファンにはあのデレク&ドミノスのアルバム「レイラ」の殆どの曲でクラプトンとのツインギターが聴かれる事で知られてますよね。
セッションマンとしてのフラストレーションを解消する為に、念願のバンドを渋い喉とオルガンを披露する弟のグレッグと結成して、スタジオアルバムを2枚発表しますが、真骨頂はやはりライブ演奏だったようで、3作目にして2枚組の超名盤、「フィルモアイ―ストライブ」を発表します。
これについては後述します。
「Brothers & sisters」ですが、冒頭の2曲はまだベリーオークリーが在命中の録音ですので、あのブッといベースが聴かれますが、3曲目からは新加入のLamar Williamsの黒人ならではのファンキーなそれでいて適度に重いゴキゲンなベースが楽しめます。
でも、このアルバムを成功たらしめているのは、もう一人の新メンバー、キーボードのChuck Leavellの素晴らしい鍵盤さばきでしょうね。
近年はローリングストーンズのツアーでバンマスを立派に勤め上げている?程出世したチャックですが、このアルバムではDicky Bettsのギターと共に縦横無尽、変幻自在に弾きまくっており、何度聴いても惚れ惚れするピアノさばきです。
特に、A面最後のスローブルーズ、「Jelly,Jelly」でのピアノソロは出色の出来で、レッドガーランドのような「玉を転がすような」気持ちの良い運指が聴かれます。
この時期の彼に、フルでジャズのスタンダードをトリオで弾きまくったアルバムを作らせてあげればよかったのに・・・・。
この曲は、ブルージ―でダルなグレッグのヴォーカルとオルガンもいいし、ディッキーのギターもソロは勿論ですが、要所で渋いフレーズを入れてくるバッキングも最高です。
アルバムでは、ギターソロが延々と続いてるとこでフェードアウトしてしまうので、何でいいとこで切っちゃうんだ~とプロデュ―サーのサンドリンを恨んでましたが、今回のデラックス版で完奏版を聴いて納得。
あそこから後はテンポアップして、「Hot Atlanta」みたいな疾走感溢れる展開になっていきまして、最後は少々ダレてしまいます。
やはり、あそこでハサミを入れて大正解でしたね。やはり理由があったんですねえ。
その他の曲ですが、Dicky Bettsがイニシアティヴを執った「ランブリンマン」、「ジェシカ」「ポニーボーイ」はやはりカントリーがかっています。
「ランブリンマン」のポップさはこれまでのファンを戸惑わせるものだったかもしれませんが、ビルボードチャートを駆け上って(確か2位になったのかな?)、新しいファンも獲得したに違いありません。
私は風来坊を唄ったこの曲の歌詞が大好きで、「オイラはハイウェイを走行中のグレーハウンドのバックシートで生まれた」なんて、まずありえねえ!と思いますが、何かいいですなあ。まさにアメリカ人が好みそうですね。
アメリカ留学時代、何度かグレーハウンドバスは乗りましたが、どの路線も結構混んでた覚えがあります。
一風変わった黒人の自称ミュージシャンと隣り合わせ、自主制作CDを売りつけられたっけなあ。
B面一曲目の「サウスバウンド」はこの時期のコンサートのオープニングを飾った、各人の見せ場がフューチャーされたファンキーな名曲です。
チャックの滑らかなピアノ、放っておいたら何時間でも弾いてそうなディ
ッキーのギターと、素晴らしいソロの応酬です。
続いて壁の2枚です。
先ずはロックライヴアルバム史上1,2を争う傑作「At Filmore East」です。
このアルバムを聴いてブルーズの世界にどっぷり漬かった方も多いのでは・・・。私もそのクチです。
まさに「スカイドッグ」の綽名の如く天にも登るようなデュエインのスライドを始め、バリバリのブルーズロックが堪能できますが、多くの方が指摘されているように、長尺ナンバーでは後期コルトレーンの如しフリージャズの影響も測り知れません。
「Hot 'Lanta」や「Whipping Post」なんか、当時この会場で、非合法な煙の中で聴いてたら最高だったんでしょうね。
ちょっとアブナイ話になってきました。
さて、個人的にはこのアルバムではスローブルース,「Stormy Monday」とノリノリの「You don't love me」が特に好きですねえ。
前者は多分先にソロをとるディッキーの頑張りが素晴らしいです。粘っこくねちっこい!いいソロです。
勿論しんがりのデュエインのソロも貫禄充分です。
この人は本当にギターの神が降臨してきてたんでしょうね。
何であんなにあっけなく亡くなってしまったんでしょうか・・・。
私はフロリダ大学留学中に、何度かジョージア州に行きました。
メイコンには今は無き「キャプリコーンレーベル」の跡地というか、博物館のような所があり、そこのおじさんにデュエインとベリーオークリーのお墓の場所を聞き出し、お参りに行きました。
あと、彼等が亡くなったオートバイ事故の現場も行きました。
勿論時代が変わっている事もありますが、日本と違い道路も広いし、事故なんて起きたの?というような車通りの少ない辺鄙な場所だったのを覚えてます。
その時の写真もありますが、何せデジカメなどない90年代半ばですので、今ここにアップはできませんでした。
また機会があればお見せしたいと思ってます。
最後に、デュエイン追悼アルバムでしめたいと思います。
生前のセッション等を編集した「Anthology Vol.1」です。
如何にもスワンプ!とういった沼地で釣りをしている姿はやはり「南部人」だなあ、という感じですね。
余談ですが、80年代後期に「大事マンブラザーズバンド」という日本のバンドがありましたが、あれって、(オオジマンブラザーズバンド)なのか、(ダイジマンブラザーズバンド)なのか?
どっちにしろ、絶対意識してますよね!!
あれだけ暑く、熱帯化しちゃったんじゃないか?なんて言われてましたが、ちゃんと秋が来るんですから、日本は凄い国ですねえ・・・。
さて、秋を連想させるジャケット、何があるかなあ?と思考しますと、真っ先に思い出すのはベタな所ではシャンソンの「枯葉」なんてありますが、生憎エディットピアフのジャケットにいいものが無く、何か無いかなあ?とレコードラックを物色してたら、いいのが見つかりました!
先ごろマニア感涙のデラックス版が発売されたばかりのオールマンブラザーズバンドの名盤「Brothers and Sisters」です。
1973年に発売され、見事全米№1に輝いた素晴らしい作品です。
ジャケットは恐らく所属するキャプリコーンレーベルのホームグラウンド、ジョージア州メイコンで秋に撮影されたと思われます。
ゲートフォールド中側にはメンバーとクル―の家族集合写真が見られますが、表ジャケットの男の子(Brother)は、ドラマーのブッチトラックス(因みに私の学生時代の綽名もブッチでした)の、裏ジャケットの女の子(Sister) は、アルバム制作中にデュエインと同じようにバイク事故で惜しくも他界したべ―シスト、ベリーオークリーのお子さんだそうです。
オールマンブラザーズバンドはその名の通り、デュエインとグレッグのオールマン兄弟を軸に、後にリーダーシップを取る事になる腕利きギタリスト、ディッキーべッツ、先に紹介したベリーオ―クリー、ブッチトラックスと、もう一人の黒人ドラマー、ジェイモーの6人で確かフロリダ州のジャクソンビルで結成された、サザーンロックを代表するバンドです。
ジャクソンビルは同じくサザーンロックの雄、レ―ナ―ドスキナ―ドも結成された凄い町です。
私は留学時代、同地で開かれたシェリルクロウのコンサートを観に行った位で、あまり足を運ぶ機会はありませんでしたが、かなりでかい町です。
デュエインオールマンのギターの腕前は素晴らしく、南部のスタジオミュージシャンとして、アトランティックやスタックスのソウルアルバムに沢山演奏が残っております。(後で紹介する「アンソロジ―」に収録されてます)
ロックファンにはあのデレク&ドミノスのアルバム「レイラ」の殆どの曲でクラプトンとのツインギターが聴かれる事で知られてますよね。
セッションマンとしてのフラストレーションを解消する為に、念願のバンドを渋い喉とオルガンを披露する弟のグレッグと結成して、スタジオアルバムを2枚発表しますが、真骨頂はやはりライブ演奏だったようで、3作目にして2枚組の超名盤、「フィルモアイ―ストライブ」を発表します。
これについては後述します。
「Brothers & sisters」ですが、冒頭の2曲はまだベリーオークリーが在命中の録音ですので、あのブッといベースが聴かれますが、3曲目からは新加入のLamar Williamsの黒人ならではのファンキーなそれでいて適度に重いゴキゲンなベースが楽しめます。
でも、このアルバムを成功たらしめているのは、もう一人の新メンバー、キーボードのChuck Leavellの素晴らしい鍵盤さばきでしょうね。
近年はローリングストーンズのツアーでバンマスを立派に勤め上げている?程出世したチャックですが、このアルバムではDicky Bettsのギターと共に縦横無尽、変幻自在に弾きまくっており、何度聴いても惚れ惚れするピアノさばきです。
特に、A面最後のスローブルーズ、「Jelly,Jelly」でのピアノソロは出色の出来で、レッドガーランドのような「玉を転がすような」気持ちの良い運指が聴かれます。
この時期の彼に、フルでジャズのスタンダードをトリオで弾きまくったアルバムを作らせてあげればよかったのに・・・・。
この曲は、ブルージ―でダルなグレッグのヴォーカルとオルガンもいいし、ディッキーのギターもソロは勿論ですが、要所で渋いフレーズを入れてくるバッキングも最高です。
アルバムでは、ギターソロが延々と続いてるとこでフェードアウトしてしまうので、何でいいとこで切っちゃうんだ~とプロデュ―サーのサンドリンを恨んでましたが、今回のデラックス版で完奏版を聴いて納得。
あそこから後はテンポアップして、「Hot Atlanta」みたいな疾走感溢れる展開になっていきまして、最後は少々ダレてしまいます。
やはり、あそこでハサミを入れて大正解でしたね。やはり理由があったんですねえ。
その他の曲ですが、Dicky Bettsがイニシアティヴを執った「ランブリンマン」、「ジェシカ」「ポニーボーイ」はやはりカントリーがかっています。
「ランブリンマン」のポップさはこれまでのファンを戸惑わせるものだったかもしれませんが、ビルボードチャートを駆け上って(確か2位になったのかな?)、新しいファンも獲得したに違いありません。
私は風来坊を唄ったこの曲の歌詞が大好きで、「オイラはハイウェイを走行中のグレーハウンドのバックシートで生まれた」なんて、まずありえねえ!と思いますが、何かいいですなあ。まさにアメリカ人が好みそうですね。
アメリカ留学時代、何度かグレーハウンドバスは乗りましたが、どの路線も結構混んでた覚えがあります。
一風変わった黒人の自称ミュージシャンと隣り合わせ、自主制作CDを売りつけられたっけなあ。
B面一曲目の「サウスバウンド」はこの時期のコンサートのオープニングを飾った、各人の見せ場がフューチャーされたファンキーな名曲です。
チャックの滑らかなピアノ、放っておいたら何時間でも弾いてそうなディ
ッキーのギターと、素晴らしいソロの応酬です。
続いて壁の2枚です。
先ずはロックライヴアルバム史上1,2を争う傑作「At Filmore East」です。
このアルバムを聴いてブルーズの世界にどっぷり漬かった方も多いのでは・・・。私もそのクチです。
まさに「スカイドッグ」の綽名の如く天にも登るようなデュエインのスライドを始め、バリバリのブルーズロックが堪能できますが、多くの方が指摘されているように、長尺ナンバーでは後期コルトレーンの如しフリージャズの影響も測り知れません。
「Hot 'Lanta」や「Whipping Post」なんか、当時この会場で、非合法な煙の中で聴いてたら最高だったんでしょうね。
ちょっとアブナイ話になってきました。
さて、個人的にはこのアルバムではスローブルース,「Stormy Monday」とノリノリの「You don't love me」が特に好きですねえ。
前者は多分先にソロをとるディッキーの頑張りが素晴らしいです。粘っこくねちっこい!いいソロです。
勿論しんがりのデュエインのソロも貫禄充分です。
この人は本当にギターの神が降臨してきてたんでしょうね。
何であんなにあっけなく亡くなってしまったんでしょうか・・・。
私はフロリダ大学留学中に、何度かジョージア州に行きました。
メイコンには今は無き「キャプリコーンレーベル」の跡地というか、博物館のような所があり、そこのおじさんにデュエインとベリーオークリーのお墓の場所を聞き出し、お参りに行きました。
あと、彼等が亡くなったオートバイ事故の現場も行きました。
勿論時代が変わっている事もありますが、日本と違い道路も広いし、事故なんて起きたの?というような車通りの少ない辺鄙な場所だったのを覚えてます。
その時の写真もありますが、何せデジカメなどない90年代半ばですので、今ここにアップはできませんでした。
また機会があればお見せしたいと思ってます。
最後に、デュエイン追悼アルバムでしめたいと思います。
生前のセッション等を編集した「Anthology Vol.1」です。
如何にもスワンプ!とういった沼地で釣りをしている姿はやはり「南部人」だなあ、という感じですね。
余談ですが、80年代後期に「大事マンブラザーズバンド」という日本のバンドがありましたが、あれって、(オオジマンブラザーズバンド)なのか、(ダイジマンブラザーズバンド)なのか?
どっちにしろ、絶対意識してますよね!!