カテゴリー: 総合
投稿者: furujinmachi
公認心理師が狭き門になっている現状をどうにかしたく、Bルート指定施設になるにはどうしたらいいかを思案中です。
公認心理師の受験資格取得の区分B(Bルート)のプログラム認定は、文部科学省と厚生労働省が合同で行なっているようで、厚生労働省のHPに資料がありました。
これによると、申請手続きを行うのに、一番大変そうなのは、プログラムの内容を決めることにありそうです。
プログラムには到達目標があり、これを大学において習得した内容と合わせて達成するように、とのこと。
一般的に、心理学科の大学で履修することになるものについても、厚生労働省で定められたものがありました。
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000964022.pdf
ということは、結局、何が習得できればいいのかを考えました。自分一人で考えてもわからないことも多く、chatGPTにも相談しました。
厚生労働省が提示する「到達目標」は主に次の5分野になります。
1.保健医療分野
2.福祉分野
3.教育分野
4.司法・犯罪分野
5.産業・労働分野
そして、施設の機能に応じて、どうしても重点的になる分野が出てくるのは致し方ないという判断になるようです。
大学で修得した知識を実際の支援に応用し、実務経験を積ませることが求められるとのこと。
当院は医療機関ですので、日々の業務は当然1.の保健医療分野に該当します。しかし、他の分野に関しては、以下のようなやり方で取り組めるとのこと(chatGPTの提案です)。
福祉分野:精神保健福祉士とのケースミーティングの実施し、支援の視点を共有。地域の障害福祉サービス事業所との連携記録を共有。福祉的制度(自立支援医療、障害者手帳)の活用支援場面への同席。
教育分野:学校との連携ケースに関わる。子どもや学生の来院ケースに同席し、発達支援の方針づくりを経験。教育機関からの紹介で受診した事例の初期支援を記録。
司法・矯正分野:保護観察中の患者との関わり(通院治療の支援)への同席。裁判所や家裁調査官との連携記録の共有(守秘義務に配慮)。DVや被害・加害に関連するケースへの支援。
産業・労働分野:リワークデイケアにおける復職支援の実務。産業医との意見交換や復職面談の記録。就労支援事業所との連携・報告書作成。
このような取り組みであれば、当院で普段から実施していることであり、特別何か追加しなければならないことはなさそうです。こうやって整理すると、医療機関で働いていても、さまざまな分野との連携があり、公認心理師として多くの知識や実務経験が要求されるのも当然、と納得できます。
補足的に他分野の専門家を招いて勉強会を行うのも良いとあるので、交流のある人にお願いしてみることも検討したいと思います。
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投稿者: furujinmachi
うちの診療所では心理検査をすることが多いのですが、患者さんにその必要性を説明するのに、説明資料をちゃんと作りたいと思うに至りました。特に、時間をかけて行う検査で、事前に予約が必要なものは、口頭では説明しておりますが、文章を用いてきちんと説明した方が良いと感じています。
以前リワークデイケアの記事を書き、その時にも資料作りがしたいと思って色々とまとめました。
しかし、このシリーズをまとめた結果、患者さんに何を伝えたいのか自分の中で結構整理できてしまって、結局資料を作らないまま、患者さんは私の熱い思いをただ聞くという状況が続いています。なんだか、資料にすると伝えたい情報が画一的になってしまって、この人にはこういう理由で伝えたい、という私の意図がうまく伝わらないような気がしてしまっているのです。(実際に参加が決定しましたら詳細な資料をお渡ししますのでご心配なく)。
話を戻して、心理検査なのですが、心理検査に関しては、患者さんから希望があって実施する場合と、こちらから実施したいということを説明して受けてもらう場合とがあります。患者さんからの希望で多いのは、発達障害に関する検査です。当院では大人の発達障害の診療にも力を入れていて、診断に有用な検査を実施しています。なので、大人の方で発達障害の診断を受けたい方からの問い合わせが多い状況にあります。
発達障害の診療は、子どもさんでもニーズが強いと思います。子どもさんの場合は、発達障害の診療をしている小児科を受診される方が多いですが、当院では中学生以上は診療させていただいており、小児科がなかなか予約が取れずに困ってらっしゃる方や、発達障害ではないかが気になる上に、少しうつになってきていたり、不登校の問題も抱えていらっしゃったりする中学生の方、高校生の方が来られたりします。
こちらがお願いして行う検査では、ロールシャッハテストという検査があります。これは、その人の心理状態や精神状態をよく反映したもので、自分の気持ちや状態をうまく言語化できない学生さんに実施させていただくことが多いです。
あとは、復職の可否を判定するのに、参考にすることが多い、ブルドン抹消検査という検査。これは認知機能を測定することが可能です。メンタル不調になり休職した方が、復職しても大丈夫かどうかは、気持ちの落ち込みが回復していることはもちろんですが、集中力や判断力などの認知機能の回復もとても重要です。その認知機能を測定できるのでとても便利な検査です。
これらの説明資料を作るために、普段何をどう説明しているのか、何回かに分けて書こうと思います。というわけでこの話はまた続きます。
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投稿者: furujinmachi
うちの診療所では、患者さんを私が呼びにいくスタイルをとっています。もう少し忙しくなれば、クラークを雇って、カルテ入力などは手伝ってもらうか、そのあたりも音声AIなどに助けてもらうか、色々と工夫をしようとは思っていますが、できる限り患者さんを呼びにいくのは継続したいと思っているんですよね。
患者さんを待合に呼びにいくと、待合でどんなふうに過ごしているのかが見えます。診察室では、特に通院を開始したばかりの方は緊張されていたりもするので、普段とはすこし違うところもあると思うのですよね。診察室ではあまり話をされない方が、待合ではご家族とよくお話をされたりするのを見ると、「診察室では緊張されるんだな」と気づいたりもします。待合でも硬い表情で緊張しておられるのを見ると、「まだ不安・緊張が強くてしんどそうでいらっしゃるな」と思ったりもします。
待合で座っていられずに立って待ってらっしゃる人とか(混雑しているのではなくて、様々な理由で座れないことがあります)はお待たせすると申しわけない気持ちになります。
患者さんの診断やお薬の聞き具合などは、もちろん患者さんが話されることを最優先に判断しておりますが、待合や診察室でのご様子を見て、表情や話し方などの情報もすごく大事です。うちは再診の患者さんも、看護師さんがご様子を聞きにいくのですが、看護師さんと話しているご様子なんかもちらっと見たりしています。
また、当院の待合は、大きめのソファー、カウンター席、2人席などいくつかのタイプがあり、患者さんにとってお気に入りの席があったりします。「この人は多分あの席にいるな」と思って呼びにいった時に、想像通りのところにいらっしゃると、なんとなく嬉しく思ったり。
最初に開業するときに、待合をどうするかを悩みました。開業する前には大学病院で勤務していたのですが、患者さんが「病院って、来るだけでしんどくなります」と話されたのを聞いて、「しんどいから来るのが病院なのに、病院に来てしんどくなってたら本末転倒だな…」と思ったんですよね。なので、できるだけ待合で待っている時間がリラックスできるように、いろいろなタイプの席を用意して、少しでもお気に入りの場所を作ってもらえたらな、と思っているのです。
それでも往復の道中がしんどい方もいらっしゃいますし、やはり待つのが疲れる方もいらっしゃいます。オンライン診療の導入や、待ち時間の短縮など、患者さんの通いやすい、利用しやすい診療所にする工夫はこれからも重ねていく必要があると思っています。
ちなみにうちは靴を脱いでスリッパに履き替えてもらうのですが、それも、靴を履いたままだとなんとなくリラックスできないように思って、履き替えていただくようにしています。患者さんには靴の脱ぎ履きをするというお手間をかけますが、待合ではできるだけゆっくりとした気持ちで待っていていただければと思っています。