こんばんは。お盆休みも終わり、外来には夏なのに熱を出していたり、のどが痛い人が来ます。医者的には不思議ではないのですが、やはり夏の暑い時に風邪をひいてしまうなんて(意外だ!損した!)と思ってしまいますよね。今日は風邪について少々お話います。
まず、風邪って何だ?ということ。これは、寒いからとか、寝相が悪くてお布団からはみ出でしまい、体が冷えてしまったからなるものではありません。エアコンとも関係ありません。風邪とは、のどの粘膜や組織に病原菌やウイルスが付着し(くっつくこと)、それが増殖して(増えて)炎症を起こし(悪さをして)、それにより咽頭痛、咳、倦怠感(だるい)、頭痛や関節痛、筋肉痛、発熱などを生じた病気の総称である(まとめて呼んでいる)。
ちょっと堅苦しい表現ですが、こんなところです。感染症(流行病)ですから、当然他の人からうつされたものですし、誰かに移すことだってありです。ですから、「この風邪はうつるんですか?」と言われたら、当然僕は「はい、バリバリにうつりますから、学校(あるいは保育園、幼稚園)は休んだほうがいいですね。」(がっかり!!)とか「これはうつしたらごめんなさい!!と言って仕事に行けるレベルですよ。」などと言います。(ホントです)
次に、「1,2日で治るの?治るんですよね?」という質問に、「いや、結構かかりますよ。菌が強そうですから。」とか、「わかりませんね、微妙な感じですけど。」とか、皆さんの期待を裏切るお返事をしてしまいます。何故なら、「風邪」の原因となる菌、ウイルスはめちゃくちゃにたくさんいて、2,3日で大体良くなるものから、こじれると肺炎なんかになるものまでピンキリなのです。しかもウイルスによるものが約80%なので、抗生剤は効きません。症状を押さえながら、自然に収まるのを待つしかありません。
残りの約2割については、細菌がいる、または関与しているという証拠や状況証拠をつかんでから抗生剤を出します。また、その際も最初は、昔からあるペニシリンや、セフェム系でも古いものを使うのが正しいのです。
どうしてって?抗生剤に限っては、体に吸収する率が良いのと、意外に耐性菌はいないことから昔のもので良いのです。新しめの薬は薬価が高いので、売る方の都合で勧められています。医者も感染症の勉強をする人は少ないので、ついつい使ってしまうのですが。
「もし悪くなったらどうするんだ!」という人もいますが、何日かして治らなかったら、その時にもう一度医者にかかる方がいいです、面倒でも。数日間で自然に治る率が8割あるのですから。
「すぐ治りたいので、点滴でも何でもしてくれ。」さすがにこんなこと言う人は今は珍しいですが、こう思っている人は多いでしょうね。ですが言います。百万円もらってもすぐには治りません、治せません!!人間は生身の細胞でできていますので、例えばのどの粘膜がきちんと修復されるのに3~6週間かかることもあり、電化製品の部品を取り換えて「さあ治りました。」とはいかないのです。擦り傷だって何日かかかるじゃないですか!あれと同じ!
書いていたらすごく字数が多くなってしまいました。読むのが大変ですので、今日はこれまで、続きはまたあとで。
まず、風邪って何だ?ということ。これは、寒いからとか、寝相が悪くてお布団からはみ出でしまい、体が冷えてしまったからなるものではありません。エアコンとも関係ありません。風邪とは、のどの粘膜や組織に病原菌やウイルスが付着し(くっつくこと)、それが増殖して(増えて)炎症を起こし(悪さをして)、それにより咽頭痛、咳、倦怠感(だるい)、頭痛や関節痛、筋肉痛、発熱などを生じた病気の総称である(まとめて呼んでいる)。
ちょっと堅苦しい表現ですが、こんなところです。感染症(流行病)ですから、当然他の人からうつされたものですし、誰かに移すことだってありです。ですから、「この風邪はうつるんですか?」と言われたら、当然僕は「はい、バリバリにうつりますから、学校(あるいは保育園、幼稚園)は休んだほうがいいですね。」(がっかり!!)とか「これはうつしたらごめんなさい!!と言って仕事に行けるレベルですよ。」などと言います。(ホントです)
次に、「1,2日で治るの?治るんですよね?」という質問に、「いや、結構かかりますよ。菌が強そうですから。」とか、「わかりませんね、微妙な感じですけど。」とか、皆さんの期待を裏切るお返事をしてしまいます。何故なら、「風邪」の原因となる菌、ウイルスはめちゃくちゃにたくさんいて、2,3日で大体良くなるものから、こじれると肺炎なんかになるものまでピンキリなのです。しかもウイルスによるものが約80%なので、抗生剤は効きません。症状を押さえながら、自然に収まるのを待つしかありません。
残りの約2割については、細菌がいる、または関与しているという証拠や状況証拠をつかんでから抗生剤を出します。また、その際も最初は、昔からあるペニシリンや、セフェム系でも古いものを使うのが正しいのです。
どうしてって?抗生剤に限っては、体に吸収する率が良いのと、意外に耐性菌はいないことから昔のもので良いのです。新しめの薬は薬価が高いので、売る方の都合で勧められています。医者も感染症の勉強をする人は少ないので、ついつい使ってしまうのですが。
「もし悪くなったらどうするんだ!」という人もいますが、何日かして治らなかったら、その時にもう一度医者にかかる方がいいです、面倒でも。数日間で自然に治る率が8割あるのですから。
「すぐ治りたいので、点滴でも何でもしてくれ。」さすがにこんなこと言う人は今は珍しいですが、こう思っている人は多いでしょうね。ですが言います。百万円もらってもすぐには治りません、治せません!!人間は生身の細胞でできていますので、例えばのどの粘膜がきちんと修復されるのに3~6週間かかることもあり、電化製品の部品を取り換えて「さあ治りました。」とはいかないのです。擦り傷だって何日かかかるじゃないですか!あれと同じ!
書いていたらすごく字数が多くなってしまいました。読むのが大変ですので、今日はこれまで、続きはまたあとで。