葛根湯(かっこんとう)という漢方薬は、テレビや雑誌、医療機関などでも良く耳にする漢方だと思います。
以前処方されたことがある、という方も多いのではないでしょうか。
当院で採用している漢方薬の中でも、処方数の多い薬剤の一つです。

葛根湯は、主に、身体の緊張をほぐす作用と、身体をあたためる作用の2つの方向から体調を整える漢方です。
寒気や頭痛を伴うような風邪の症状緩和や、パソコンやスマホ作業などによる肩こりを伴った頭痛など、非常に広範囲に使用できる薬剤だと考えています。
首から上の症状にはよく効くという事から、どんな患者さんにも葛根湯を処方してしまうヤブ医者…といった落語の題材にもなっています。

一方で、抗ウイルス作用、抗細菌作用などがあるわけではないので、早く内服したから早く治るという事ではないに点にも注意が必要ですね。
また、漢方には副作用がない、と誤解されることも多いのですが、葛根湯に含まれる麻黄(まおう)や、甘草(かんぞう)などの過剰摂取による副作用にも注意が必要です。