関西医大、昭和大、東邦大が学費大幅減のナゾ

今年は各私立医系大学とも、来年度入試の概要を早々と発表しました。驚いたことに、昨年までほとんど入試日程のバッティング(同日受験)がなかったのに、今年はやたらと重複が目立つのです。

3校の入試が重なる日が3日も… 
一般一次試験だけに絞ってみても、初っ端である1月22日には愛知医科大学・東邦大学、23日には岩手医科大学・兵庫医科大学・杏林大学、24日には順天堂大学・金沢医科大学が、それぞれバッティング。その後も、26日には関西医科大学・川崎医科大学・北里大学、27日には近畿大学(前期)・埼玉医科大学(前期)・藤田保健衛生大学(前期)…と続き、2月に入っても17日の産業医科大学・埼玉医科大学(後期)まで、多くの大学の入試日程が重なっています。

 よく見ると、同日受験の大学同士は地域的、偏差値的にもうまく散らしてあるようにも考えられ、「この日はどの大学を受験しようか?」と迷うことは比較的少ないのではないか、とも思われます。それでも3校バッティングの日が3日もあると、大学側の意図を測りかねる部分もあります。

 一方、国公立医学部医学科の変更点(7月1日時点)で目を引くのは、まず後期日程を廃止する大学が3校(筑波大学、群馬大学、名古屋市立大学)あること。また、金沢大学と鳥取大学の2校において、センター科目の社会科で「現代社会」「倫理」「政治経済」をそれぞれ単品で選ぶことが不可となり、「世界史」「日本史」「地理」のほか、「倫理・政治経済」として統合された科目のうちから1科目選択することが義務付けられることです。

私立医学部は学費の値下げラッシュ! 
私立医学部医学科の入試日程以外の注目点といえば、学費の値下げラッシュになっていることです。関西医科大学、昭和大学、東邦大学では6年間で200万~600万円の減額で、これに伴い受験生は結構な勢いで殺到するものと思われます。そして学費を値下げした大学の偏差値が上昇することは、これまでの例からしてもほぼ間違いのないところです。


 授業料の値下げは受験生にしてみれば大英断で、もろ手を挙げて賛意を示したいところですが、私などは、経営的には大丈夫だろうかなどと考えてしまいます。おせっかいながら、原資をどこで確保するのだろうかと思ってしまうのです。

 藤田保健衛生大学は、13年度から入試後期日程を設け、明らかに受験費用の収入を余分に稼ごうという意図が見えますし、関西医科大学は東京会場を新設して東京地区および東日本の受験生の確保に努めているようです。

 だからこそ、前半で述べたように、なぜ他校と受験日程をバッティングさせるのか、どうしても理由が分かりません。

 受験生としてすべきことは、これまでのようにサミダレ式に毎日毎日、大学を数多く受けて、試験を受けない休日をどこでどう設けるか、ではありません。来年度は試験を受けない休日がおのずと決まるので、日程がバッティングする大学のうちのどこを受験するかを様々な角度から早々と決定し、その対策を立てることです。

 13年度の受験校決定のキーワードは、「偏差値」に加えて「学費」になります。そして合格できるかどうかは、何よりも勤勉な学習態度と的確な対策の成否次第であることは言うまでもありません。

わが母校 東邦大学は経営状態が良好で今期も経常利益がすごいようです。
人件費率も40数%のようで、学費を下げる事は十分に可能な状態のようです。と炭山理事長が申しておりました。