厚生労働省は9月11日、2011年の受療行動調査の概況を公表した。これは全国の医療施設を利用する患者に対し、受療の状況や受けた医療に対する満足度を調査したもの。

 それによると、外来を受診した患者のうち、病院に「非常に満足」あるいは「やや満足」(以下、「満足」)しているとの回答は49.7%。「やや不満」あるいは「非常に不満」(以下、「不満」)は4.4%だった。病院の種類別にみると、「満足」との回答は特定機能病院が57.1%と最も多く、小病院(52.2%)、大病院(51.1%)と続いた。「不満」との回答は、中病院が5.2%と最も多く、次いで大病院(5.1%)、特定機能病院(4.6%)だった。

 外来患者の項目別の満足度をみると、「満足」の割合が最も多いのは「医師以外の病院スタッフの対応」で49.3%。以下、「医師との対話」(48.8%)、「医師による診療・治療内容」(46.7%)と続く。一方、「不満」の割合が最も多いのは「診察までの待ち時間」(25.3%)で、「診察時間」(7.8%)、「精神的なケア」(6.0%)と続いた。

 入院患者では、「満足」が64.1%、「不満」は4.5%。病院の種類別では「満足」との回答は、特定機能病院が72.6%と最も多く、大病院が69.1%、小病院が65.4%。「不満」との回答は、療養病床を有する病院が4.9%と最も多く、小病院が4.6%、中病院が4.5%だった。

 入院患者の項目別の満足度では、「満足」の割合は「医師による診療・治療内容」(68.1%)、「医師以外の病院スタッフの対応」(67.1%)、「医師との対話」(63.0%)の順で多かった。一方、「不満」の割合が最も多いのは「食事の内容」で14.5%。「病室・浴室・トイレ」(11.2%)、「病室でのプライバシー保護の対応」(7.5%)と続く。

診察を受けた病気や症状に対する診断や治療方針について、「医師から説明を受けた」と回答したのは外来が85.6%、入院が93.3%。また、その説明の内容が「分かった」との回答は外来が96.6%、入院が93.5%。「分からなかった」は外来が3.4%、入院が6.5%にとどまっており、きちんと説明がなされていることが分かる。

 もっとも、診断や治療方針に対する疑問や意見について「十分に伝えられなかった」との回答が外来で13.6%、入院では16.7%あった。「十分に伝えられなかった」理由については、「質問しにくい雰囲気だった」が外来で5.7%、入院で6.0%。「的外れな疑問や意見のような気がした」が外来で4.0%、入院が4.4%だった。

病院を選択した理由は、外来は「以前に来たことがある」が最多 
病院を選んだ理由については、外来では「以前に来たことがある」が38.0%と最も多く、「自宅や職場・学校に近い」(37.6%)、「医師による紹介」(33.2%)と続いた。入院では「医師による紹介」が49.0%、次いで、「以前に来たことがある」(34.9%)、「医師や看護師が親切」(34.7%)だった。

 病院を選択する際に「病院について何らかの情報を入手した」との回答は外来が51.6%、入院が55.3%。「特に情報は入手していない」との回答は、外来が38.8%、入院が35.3%だった。

 病院を選択する際の情報源を項目別にみると、「医療機関の相談窓口」が外来26.0%、入院42.4%と最も多く、「病院が発信するインターネットの情報」(外来13.2%、入院10.6%)、「病院の看板やパンフレットなどの広告」(外来11.9%、入院8.8%)と続いた。病院の種類別にみると、いずれの規模の病院でも「医療機関の相談窓口」がもっとも重視されていたが、特定機能病院、大病院、中病院、小病院では「病院が発信するインターネットの情報」が次いで多かったのに対し、療養病床を有する病院は「病院の看板やパンフレットなどの広告」が続いた。

 調査は岩手県、宮城県、福島県を除く全国の500病院を対象に、2011年10月18~20日のうち1日、調査票を配布して行った。調査票の回収数は外来9万9986、入院5万2569。病院規模は、大病院は500床以上、中病院は100~499床、小病院は20~99床と区分した。

この調査には真摯に受け止めないといけません。