昨日は勤務先の病院で当直をしました。

深夜2時30分頃、一緒に当直していた研修医の先生から、
『肩関節脱臼の患者さんが来ています』と連絡が入り
『じゃあ まずレントゲンをとってよ』と指示をだしました
すると
『患者さんは、妊娠3週でレントゲンは撮りたくないと言っています』
と返答 

患者さんとお話すると、初回脱臼ではなく3回目 それも1週間間前にアメリカで脱臼し、だいたい分かっているからレントゲンはいらないと。日本に旅行で遊びにきて、脱臼したから整復しましょうとのこと
『脱臼がどうしても整復されない場合は、透視をみながら整復しますよ』
と日本語が通じるため強気にお話したところ

『自分で脱臼の整復方法は知っているので、Dr.は私のいうとうりに整復してみてください』

ん?やけに整復方法、手術方法など専門用語がでてくるためおかしいなと思いつつ
『仕事は何をやっているのですか?』
と聞いたところ
『整形外科医です。肩専門でアメリカのLAで仕事しています。』

どうりで詳しいはず、とりあえず言われるがままに整復したところ最後のあと一歩のところで整復されず、次にDr.はソセゴン(鎮痛薬)を
何と75mg 日本で使用する5倍!を
それも大腿静脈から注入してくれと
またもや仕方なく言われるままに注入し、何とか整復できました。

自分が今までに経験した中で最も難しい症例で、整復感はまったくなかったのですが、Dr.本人は整復後、肩を挙上したりやりたい放題でした。
診察室に入ってから、ずっとハイテンションでしゃべっていて、研修医の先生にはレクチャーまでして、こんな深夜なのにすごいエネルギッシュな先生でした。最後には、アメリカのLAで働いているからぜひ遊びに来てくださいと、住所をメモし帰宅されました。
貴重な経験をしつつ、非常につかれた当直でした。