雑誌「ゲーテ」より

普段は明晰のものごとを判断できていても、調子が悪くなると悩みが連鎖し、本来なら別個の問題として区別できるものさえ混同してしまう。どこから手を付けたらいいのか分からなくなって、あらゆる場面で判断力が鈍る。男が自信を失う原因は、たいがいはフトコロの事情だ。金が回ると調子もよいのに、そうでないと息も苦しい。恥ずかしいくらい、そうなのである。こうした停滞と淀みが体調や人間関係におよぶと、まさに気がふさがった状態になる。出し入れを活発にして空気を変えるしかない。細った収入に合わせて、支出を絞ろうとすれば、ますます流れが悪くなる。よく食べ、よく排泄する。人と会い、悩みを話す。そして他人の知恵を入れる。家計は入った金を使うしかないが、我々ビジネスマンは投資の感覚を忘れてはならない。事業は、つねに出る金が先である。ひもじい時ほど、金を使うべきなのだ。

来年も一喜一憂せず常に前向きにいきましょう。