肩脱臼、高齢で腱板断裂リスク【米国整形外科学会】

米国整形外科学会(AAOS)は10月4日、「中高年層の肩関節の脱臼においては若い患者よりも腱板断裂や靭帯の損傷リスクが高い」と注意を促す論文を紹介した。学会発行のJournal of the American Academy of Orthopaedic Surgeons誌に掲載している。

 米国Union Memorial Hospitalのグループは、40歳以上になると腱板の組織が弱くなるために損傷しやすくなると説明。若年者は腱板が強いため、ほかの部分の外傷を起こすという。高齢者の肩脱臼を診察した場合には、腱板の損傷に注意してほしいと求めている。

 論文によると、肩脱臼を起こす患者の5分の1は60歳以上となっている。その半面、中高年層の肩関節の脱臼の再発率は若年層よりも低い。中高年層で損傷しやすい腱板は肩関節の安定性には関係が少ないので再発を起こしにくいと論文では説明する。一方で、ほかの部位を傷めやすい若年層は再発しやすくなる。


これ常識で、高齢者の肩関節脱臼に腱板損傷合併は日常診療でよく経験します。