美しかった桜もあっという間に散ってしまい、初夏の様相を呈してきました。

しかし、桜は本当に潔いですよね。

持て囃されるのは、ほんの数週間・・・。あとは翌年春までは「ただの木」として過ごすのですよねえ・・・。


さて、 4月の壁レコードは未発表曲満載のデラックスエディションが好評の、Bad Companyを特集してみました。


Free解散後、ポールロジャースとサイモンカークは、元モットザフープルのミックラルフス、元キングクリムゾンのボズバレルとバンドを結成します。

各人が素晴らしいキャリアの持ち主で、イギリスを代表する名バンドの出身だった事から、世間では「スーパーグループ」扱いされましたが、本人達はそれほど気負いは無かったようです。


バンド名の「Bad Company」は決して「ブラック企業」ではなく、「悪友」と書くとちょっとあれですが、要は「気の置けない仲間」的なイメージなんでしょうね。





それでは玄関先から・・・




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1974年に発表された彼らのファーストアルバム、「Bad Company」です。


何でもないようで、計算されたデザインは流石、ヒプノシスですね。


このアルバムは中学の時(1982年)レイコウ堂(レンタルレコード屋さん)で借りました。  東芝盤の黄色の帯付でした。今思うと、岡崎の片田舎の貸しレコード屋にしてはなかなか渋めの品揃えでしたね。


とにかく、このアルバムはA面が素晴らしい! サイモンカークのカウントで始まる冒頭の「Can't get enough」でもうノックアウトされますが、 続く「Rock Steady」のカッコいい事!!

この2曲は大学の軽音楽部で嫌がるメンバーを拝み倒して?コピーさせて頂きました。   幸いにして?音源は残ってませんが、今聞いたら赤面ものでしょうね・・・・・。


そして3曲目に哀愁味のある佳曲、「Ready for love」が控えております。

この曲はミックラルフスが前バンド、モットザフープル時代に既に発表したものですが、やはりあのグループはイアンハンターの作品中心に動いてますので、ミックは扱われ方には多いに不満があったとか・・・。


確かに、イアンハンターよりもポールロジャースの粘り気のあるこぶし回しの方がマッチしてますよね・・・。   豪快さばかり取沙汰されるサイモンカークのドラムですが、こういう曲では意外に繊細なんですよね・・・。



そして4曲目はポールロジャースの唄の巧さが光る、ソウルフルなバラッド、「Don't let me down」です。彼はあまたあるブリティッシュロックヴォーカリストの中でも、トップクラスの喉と表現力を備えていると思います。  


ロッドスチュワート、ヴァンモリスン、スティーヴマリオット、スティーヴウインウッド、フランキーミラー、ジェスローデン・・・・・・などなど私のお気に入りのヴォーカリスト達と遜色ない歌声を聴かせてくれます。



B面も勿論いい曲ありますよ!   冒頭の彼らのアンセムともいうべき、「Bad Company」は、意外と達者なポールロジャースのピアノも堪能できます。   サイモンカークとボズバレルのつんのめるようなキメもカッコいいです。


3曲目の「Movin'on」も軽快で彼等らしい曲です。


彼らの醍醐味は、ブリティッシュ然とした佇まいから想像できない程、アメリカンロック的な曲を演奏する所にあると思いますが、まだこのファーストアルバムではイギリス臭さがかろうじて残ってますよね。




お次は待合壁です。




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翌1975年に出されたセカンドアルバム、 「Straight Shooter」です。




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カジノのダイスをデザインしたカッコいいジャケットは勿論ヒプノシスですが、ジャケットよりもインナーの写真の方が面白いですよね。


このバンドがアメリカで人気を博した理由の一つに、メンバーのルックスの良さも挙げられるんじゃないでしょうか?  サイモンカークなんて、なかなか色男ですよね。



全体的に、アメリカンロック的なおおらかな曲調が多いんですが、特に「Shooting Star」は大好きですねえ。    数年前の来日公演でも、ロジャーズと一緒にサビを唄いましたよ~。




そして、今回はデラックス化されませんでしたが、ブリティッシュロック魂を取り戻した快作、3枚目の「Run with the pack」です。





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この絵って、何なんですかね?  オオカミに育てられた少年を意味してるのだと思いますが、果たして彼らの真意は・・・・・・?