梅雨らしくない梅雨の真っただ中、皆様如何お過ごしでしょうか?


レコード自体は交換してはいたんですが、なかなかブログの更新ができませんでして、申し訳ありませんでした。



今回は先日リマスター発売されたライブアルバムが話題騒然のPaul McCartney & Wingsを特集してみました。



先ずは玄関先です。



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1976年に発表された前年のUSツアーの実況録音盤、「Wings Over America」です。 邦題は「ウイングスUSAライブ」でした。


ツアー専用機?の格納庫が少しずつ開いていく様子を捉えたヒプノシスデザインのカヴァーですが、インナースリーヴ3枚裏表に渡って表現されている割には、面白くないんですよね。


ジャケットも3枚組なのに、ゲートフォールド二つ折りにて、ポスターがついてはいますが、何か予算ケチってるなあ?と最初は思ってました。



内容は、全盛期のポールのライヴなんで、悪いわけがないです。
冒頭の「Venus & Mars~Rockshow~Jet」のメドレーなんて、特にジェットの始まるとこなんざ、背筋がゾクゾクっとしてきます。



そもそも後期ビートルズでは叶わなかったコンサートツアーをしたいが為に結成したと言われる「Wings」ですから、ポールも唄にベースにピアノにギターに、八面六臂の活躍振りです。



勿論、リンダさんも頑張ってます。キーボードの腕は??ですが、バックコーラスはなかなか決まってますよね。



脇を固める相棒デ二―レイン、ジミーマッカロクも頑張ってます。
ジョーイングリッシュのドラムは個人的には・・・・・・。



今回、映像版「ロックショウ」もリマスターされ発売されましたね。
購入したものの未見ですが、「ベストヒットUSA」で数曲見ましたが、かなり色調が明るくなってますね。



私の持ってるVHSカセットでは真っ暗ですからね。



お次は待合室壁の2枚です。




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先ずはウイングスとしての最高傑作、1975年の「Venus and Mars」です。後述しますが、ニューオーリンズで録音されております。




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二つの球を金星と火星に例え、接写した写真はリンダさんが撮影したもので、同じようなモチーフは、ポールの最初のソロアルバム「McCartney」でも見られる手法です。



ジャケットのコンセプトは勿論ヒプノシスで、特徴あるレタリング~グラフィックはジョージハ―デイが腕をふるってます。


ゲートフォールド見開きの美しい壮大な写真はカリフォルニア州の何処かでヒプノシスによって撮影されてますが、デ二―レインが独りぽつねんと写っているのは御愛嬌ですね。



これまでのレコードセールの好調さから、会社から予算をふんだんにせびったとみえ、このレコードはおまけが充実しています。


ポスター2枚、ステッカー2枚、特製インナースリーヴ、特製レーベル。



何か、ピンクフロイドの「狂気」を彷彿させますね。
EMI社は太っ腹でしたね。


レコードA面は捨て曲無しの大傑作でして、冒頭の「Venus and Mars~RockShow」は勿論ですが、続く哀愁溢れるポールの唄が最高な「Love in song」、ビートルズ時代の「Honey Pie」にも通ずるボードビル調の「You gave me an answer」、賑やかな「磁石屋とチタン男」、ハードな「Letting Go」と、流れるような展開です。

一方、B面はデ二―とジミーにリードヴォーカルを任した曲もあり、あまり統一感がありません。

全米№1シングル「あの娘におせっかい」も、何か浮いて聞こえるんですよね。


そういえば、この曲の冒頭の多分ポールが喋ってるニューオーリンズ訛りのトークは、アラントウ―サンを真似てるんでしょうね。



この時期、1974年頃はアラントウ―サンが持て囃されていた時期でして、イギリスから幾多のアーティストがニューオーリンズ詣でをしたものでした。



特に、R&B系激渋シンガー3人衆?ロバートパーマー、フランキーミラー、ジェスローデンの御三方がそれぞれこの時期に録音した作品は、どれもが私に愛聴盤であります!(機会があれば、この3人を特集してみたいのです。)



さて、本来なら続く3枚目はこのツアーの直前に発表され、「心のラヴソング」の大ヒットを生んだ、(あと個人的に大好きな「Let 'em in」もいいい!)「Speed of sound」を持ってくるべきなんでしょうが、ジャケットの絵面がちょっとシンプル過ぎてつまらないので、これにしました。




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禁じ手ですが、ベストアルバム「all the best!」です。



それまでに出ていたベスト盤「Wings Greatest」はジャケットはつまらないんですが、シングルでしか聴けなかった作品を沢山収録してたんで、結構好きでした。



それに引き換え「All the best」は、ええっ、これがベスト盤に入っちゃうの~?という、編集の甘さはあるものの、まあ、多くのリスナーが納得する妥当なベスト盤です。



「Goodnight Tonight」が収録されてるのは個人的には非常に嬉しいです。



稀代の名曲「With a little luck」は、シングルヴァージョンでなくて、フルで収録して欲しかったです。(あの冗長な?間奏がよいのです)



「We all stand together」なんて入れるんなら、「So Bad」を入れて欲しかったなあ・・・・・。



しかし、こうしてシングルに切られた各曲を聴いてると、ポールの作曲能力は凄かったなあ、と改めて思い知らされます。




まあ、ポールはセルフプロデュ―スだと詰めの甘さが露呈してしまうので、こういう寄せ集めの方が良いのかも・・・・・。




その点、かのGerorge Martinが制作にあたった82年の「Tug of war」は完璧でしたよね。