これまで、リカバリーという考え方について、再三触れてきました。障害と向き合うことよって、豊かな見方・考え方に到達することです。他の医療活動と違い、精神障害・発達障害が治療によって障害がなくなり元の状態、または健常者と同じになるという考え方ではなく、治療を通して新たな自分に気づくことと言えます。
 さらにこの考え方を進めると、障害という捉え方はマイノリティに対する見方であり、決して障害を持つ皆さんの立場になった見方ではないことに気づきます。
 当クリニックでは、障害という見方ではなく、皆さん一人ひとりが持つ個性という考え方をすべきだと思います。さらに言えば、その人が持つ文化という見方になればと思います。このような見方・考え方は、近いうちに当たり前の世の中になってくると思います。そうなれば、きっと、もっと生きやすくなると思います。治療の方向性も変わってきます。
 以上の考え方を基盤としながら、今を生きる皆さんが、少しでも生きやすくなるために、全人統合医療というアプローチで治療活動を行っていきたと考えています。