10月は講演会ラッシュということを以前書きました。今のところ3件依頼が来ていて、そのうちの一つについては講演スライドの作成が終わりました。
10月は、労働衛生コンサルタントの筆記試験もある予定です。試験勉強も着々としておりますが、まだ時間の余裕のあるうちに、残り2件の講演スライドも作成してしまいたいと思います。

残り2件は、どちらも香川産業保健総合支援センターから依頼をいただいていて、就労と精神疾患についての話になります。これまでも、リワークデイケアや産業医活動を通じて、産業分野の活動にも力を入れてきましたが、労働衛生コンサルタントの試験勉強をするようになり、産業分野の仕組みがより理解できるようになって、それだけでも受験することにして良かったと思っています。

さて、二つ目の講演テーマは「過重労働と精神障害について」ということになっています。講演概要は下記の形で作成しました。

「働き方改革が進められる一方で、『過労死』や『うつ病による休職』といった問題はいまだ身近に存在しています。本講演では、精神科医の立場から、過重労働が心身に及ぼす影響について話をする予定です。
 具体的には、以下のような内容を取り上げます。
 · 「過重労働」とは何か? 法的基準と現場の実態
 · 過労と精神障害(うつ病・適応障害など)との関係
 · どんな人が危ない? サインの見つけ方と相談のタイミング
 · 働く本人・家族・職場にできる予防策と声かけ
 · 精神疾患で休職した後の社会復帰の難しさと支援の工夫
長時間労働の危険性について、医学的・制度的な視点を交えながら、一般の方にも理解しやすい形でお伝えします。『誰か』ではなく『自分や身近な人』のこととして考えるきっかけにしていただければ幸いです。」

これだけ市民権を得てきた精神疾患、メンタル不調問題ですが、未だに誤解や偏見も多いことを日々実感します。また、過重労働に対する認識も、まだまだ十分とは言えない現状があると思います。一時期、新型うつ病と言われる、苦手なことや嫌なことを回避し、好きなことばかりやっている若者のうつ病を批判するような風潮が強かった時期もありました。しかし、若い方でも、頑張りすぎて精神を消耗してうつ病になる方が圧倒的に多いです。

病気や障害に対する正しい知識を持っていただき、防げる労災は防いでいく。そして、残念ながら病気・障害になった方でも、再び社会復帰できるように社会で支えていく。そのような取り組みの一助となるような講演ができればと思っています。講演スライド、少しずつ作っていこうと思います。