実はこの本は、再読です。
でも、時々来られる摂食障害の患者さんに、もう少し助けになれたらと思いもう一度読むことにしました。

クリニックで診る摂食障害
www.amazon.co.jp
3,740円

読みたいと思った動機
もう一度、クリニックでできることを復習したい。

得たい知識
摂食障害の患者さんが来られて、クリニックで何をしてあげられるか。特に、心理教育についての知識をおさらいしたい。

クリニックに来る患者さんは、摂食障害の人に限らず、どのくらいの治療意欲を持ってこられるか、本当にまちまちです。その相手の治療意欲の程度を見て、どのような対応をするのか調整する必要があります。この本でも、「治療に対する動機づけの段階」として、次の5段階を挙げていました。
1 自分の状態を病気と認識していない段階
2 問題意識は芽生えているが、食行動を変えようとしていない段階
3 自分の状態を変えねばならないと考え努力している段階
4 治療を受けて治したい、または転医してきた段階
5 食行動が改善し、この状態の維持と再発を予防している段階

1の段階では、心理教育で病気について理解してもらった上で、現在の状態を続けることによって得ることと失うことについて考えてもらいます。

2の段階では、1と同じく、現在の状態を続けることによって得ることと失うことを考えてもらうのですが、現在、1年後、5年後について考えてもらいます。そして、得ることよりも、失うことが圧倒的に多いことを理解してもらいます。

3の段階では、病気で得ているものを捨てる覚悟をしてもらう必要が出てきます。病気に立ち向かい、自分を変えようと決意することになります。小さな変化を継続して引き起こしていくことを、応援し支えることになります。

4の段階では、具体的な食生活日誌を書いてもらい、取り組めることを一緒に考えていきます。

5の段階では、家庭、学校、職場でのストレスや問題を見つけ、それを解決するように促していきます。

この段階別の関わりを見ていくと、まず、心理教育にもう少し力を入れた方がいいなと思いました。患者さんに病気について知っていただき、病気がもたらす心身への影響について理解していただくことは、治療動機を高める上で重要だと感じました。

そして、患者さんの治療意欲に応じて、どこにポイントを置いて関わっていくか。最終的には、ストレスや問題に対処していくところまで支援していきたいのですが、それに取り組むためにも体力を回復させる必要があります。

別の講演会でも、摂食障害をもっと精神科医がきちんと対応できるようになっていく必要性があると、演者の先生が熱く語っていました。もう少し自分のスキルを上げていきたいと思います。