精神科医のつぶやき「薬の終了時の説明についても資料を作りました」 (2025/06/23)
投稿者: furujinmachi
症状が改善し、徐々にやめることになった場合、それに伴い通院も終了することがあります。通院の卒業で嬉しいことですよね。でもそのときにも、いくつか気をつけていただきたいことをお話ししているのですが、それについても資料を作ってお渡しした方がいいのかなと感じました。
以前、薬の開始時の説明についての資料を作りました。これは、使ってみたらかなり良い感じで、伝え忘れもないし、あとで患者さんに読んでもらえるし。予診や事前聞き取りをする看護師とも、このような資料を渡すという情報をシェアして、事前に伝えられることは伝えてもらえたり、あとで先生からこういった説明があると思います、といった話をしてもらってます。
開始時は本当に大事ですが、終了時だって大事ですし、同じように共通して話す項目がたくさんあります。
まずは離脱症状について。
・お薬をやめてしばらくの間、離脱症状がでることがあります。
・お薬はゆっくり減らしてから中止すると、離脱症状は出現しにくくなります。
・離脱症状として、不安感、発汗、ふるえ、頭痛などが出ることがあります。
・離脱症状は、長くても2週間ほどで消失します。
・離脱症状が現れても、軽症であればそのまま様子を見て下さい。
・離脱症状が気になる場合は、我慢せず一度診療所に連絡をして下さい。
それから、再発の徴候について。
・病気が一旦よくなっても、何か脳に大きな負荷がかかると再発することはあります。(私はよく骨折に例えます。骨折が治っても、交通事故に遇ったりしたらまた折れてしまうことはありますよね)
・再発の徴候は、睡眠と食欲に現れることが多いです。
・気になる徴候が出たら、我慢せず一度診療所に連絡をして下さい。
皆さん、通院を終了できるのは本当に嬉しいことと思うんですね。でも、それ以上に、生活を快適に送ることが大事です。通院再開を嫌がるあまり、生活に支障が出るのは良くないと思っています。病気は、何でも早期発見早期治療が良いと思っています。早く対処した方が早く良くなります。なので、困ったらとにかくまたすぐ来て欲しい。二度と病院に行かないことが大事ではなくて、時々メンテナンスをしながら、良い状態を維持することが大事ですよね。
そのためにも、良くなったらきちんと通院を終了する。通院し出すとやめられなくなると思われないようにしていきたいです。もちろん、通院していた方が安心する方は、しばらく通院を継続させていただいています。相手のニーズに応じて柔軟に対応することが大事かなと思います。
とにかく、これで資料を作って、薬物治療を終了する方に渡していきたいと思います。