ただ、共感することと、甘やかすこととがごっちゃになってることがあるのかなと思いますので、そのことについても書こうかと思います。

例えば、子どもが「ゲームで課金したい!」と言ったとします。それを共感しなきゃ、と言うことで、「じゃあお金だそうか」と言うべきかどうか。共感するのは、子どもが「課金したいなあ」と思っている部分であって、課金して、もっとゲームを楽しみたいのか、欲しいアイテムがあるのか、ゲーム内で強くなって、みんなに賞賛されたいのか、そこには課金してどうしたいのか、という思いがあると思うんですよね。その部分に共感することは、問題ないと思うんです。

「欲しいアイテムがあるんだね」「強くなってみんなに注目されたいよね」みたいな感じで、共感を示す。でも、それと実際お金を出すかどうかは別問題です。
私たちも、お友達とかと「あの服欲しいよね」「あの化粧品いいよね」みたいな話をしても、それで実際お金があれば買いますし、ちょっとやりくりが心配なときは我慢して、お金が貯まってから買いますよね。でも、「欲しいよね」という気持ちには共感しますよね。「あれいいね、欲しいよね」という感じで。それと全く同じことになりますので、「いいなあ、欲しいなあ」という気持ちには十分共感してあげて良いのです。

だから、子どもが「課金したい!」って言ったときに、「何言ってるの、そんなお金ないわよ」と頭ごなしに否定するのでもなく「頑張ったら小遣いあげようか」みたいな甘やかすのではなく、お金を出す出さないではなくて、「いいなあ、欲しいなあ」の部分に共感する、そういう風に心がけていただくと、会話が弾むのではないかと思うんですね。「今やってるゲーム面白いの?」「課金したらどんなふうになるの?」と興味を示して、「へえ、いいわねえ」って。「欲しい!」って言うワクワクする気持ちに共感してもらえるといいなあと思います。

子どもは、欲しかった気持ちを分かってもらえるだけでも、「でもまあ、お小遣い足りないから仕方ないか」と諦めをつけることもありますし「課金ばっかりしてても勿体ないよね」と納得できることもあります。「今度もっと欲しいヤツあるからもうちょっと我慢するわ」みたいな。十分共感してもらえたら、どうしたいかは自分でちゃんと考えられる子も多いです。

十分共感しても、衝動性のコントロールが難しいお子さんに関しては、きちんとルールを決めて、ルールの上で対応する必要があります。でもその場合でも、気持ちには寄り添えるし、寄り添ってもらった方がいいかなと思います。「欲しいとどうしても欲しくなって、気持ちのコントロールが出来なくなってしんどいね」というふうに声かけしてもらってもいいのかなと思います。

是非共感することの参考にしてみて下さい。