昨年縁あってサイコシンセシスという心理療法の勉強会に参加し、膨大な参考図書を読みました。ずいぶん前に、別の心理療法の勉強会でも紹介され、そのときにも参考図書を何冊か読んだのですが、とにかく難しかったという印象で、あまり理解できないまま、いつか勉強しようと思って放置していたんですよね。

今回学んで、理解できた部分と、やはりまだ難しい部分とありますが、少しずつアウトプットしていきたいと考えています。

サイコシンセシスとは何か、という基本的な話からになりますが、正確な定義的なことを知りたい場合は検索されるなりchatGPTなりに聞いていただければよいかと。このnoteでは、私なりに理解した内容を書いていきます。

サイコシンセシスの創始者であるアサジョーリという方は、精神分析の創始者であるフロイトから、精神分析をまず学ばれたそうです。精神分析も、当時の精神医学界では画期的な治療法で、いろいろな精神医学的な症状が、人間の無意識の問題から派生している、と考え、無意識を意識化していくことで、それらの症状の治癒を目指したものになります。

無意識に抱えている問題を意識化する作業というのは本当に大切で、私たちは日々、多くのことを、無意識的に、自動操縦的に行っています。それでうまくいくこともたくさんあれば、そのせいでうまくいかないこともたくさんあります。自分の中で何が起こっていて、どうしてそのような行動、症状につながっているか、それを意識し理解するだけで問題が軽減することがよくあります。

この「無意識の意識化」という取り組みは、いろんな心理療法でやり方、言い方を変えていろいろと行われています。サイコシンセシスも、その点はとても重要視しています。ただ、サイコシンセシスでは、カウンセリングの目的をそこにとどめず、もっと人が成長するためには何が必要なのか、そういった視点が強く出ています。

なので、何か悩みや問題を抱えている人がいて、その悩みや問題を解消するための方策がカウンセリングだとすると、サイコシンセシスは、悩みや問題を解決することだけではなく、さらにその人が人間として成長を助けるための手法を構築している、と言えるかと思います。そのため、サイコシンセシスでは、カウンセリングを「ガイディング」と表現し、カウンセラーは「ガイド」と呼ばれます。「ガイド」と呼ばれるあり方とは、その人の人生を伴走し、ともに歩んでいくイメージになると思います。

とはいえ、心理療法として、カウンセリングとしてサイコシンセシスのテクニックを利用する場合は、その人の悩みや問題をどう取り扱うか、の部分が重要視されると思います。しかしそれでも、問題を抱えている人が、人生をどう歩んでいくのかという大きな視点を持ってみていく、ということにサイコシンセシスの特徴や意義があるように感じます。

定期的にこのシリーズは続けていきます。