昨日、リワークデイケアについて少し触れました。今日はその続き。


そもそも、うちの診療所でリワークデイケアを始めたいと思ったのは、私が診察時間の足りなさを痛感したからです。9年前に診療所を開業したのですが、それまでいた職場(大学病院)とは、来られる患者さんがずいぶん違いました。大学病院に来られる患者さんは、すでに他の医療機関で治療をされていて、紹介されてくる方が多くて、入院が必要な方も多かったんですよね。でも診療所は、もっと早い段階で来院される方が多いです。しんどくなったから仕事どうしよう、みたいな相談がすごく多くなりました。それで仕事を休んでいただくんですが、休職中ってどう過ごしたらいいの?復職する時ってどうしたらいいの?といった困りごとに対する説明が必要になることが増えました。しかも、大原則は共通することも多くて、「今日はこの説明するの何人目だろう?」みたいに思うこともあって。いっそ、みんないっぺんに説明できたら、もっと丁寧に、いろいろ説明できるのに、っていうことを考えるようになりました。

その頃、都会では「リワークデイケア」というものが広がっている、ということを知りました。元々精神科には「デイケア」というリハビリプログラムの制度があり、精神科病院では、通院患者さんが医療保険で利用できます。居場所作りだったり、社会復帰のためのリハビリだったり、そこではいろんな活動をしているのですが、休職中の人のための、復職に特化したプログラムがあるのが「リワークデイケア」という事になります。グループでいろんな知識を身につけてもらえたら、皆さんが知りたいと思うニーズに応えられそう、と感じました。

それで自分のところでもリワークデイケアをしたい、と思うようになったのが、まだ開業して2年目くらいだったと思います。そのためには、リワークデイケアをする場所と、担当するスタッフが必要になります。

開業した当時は、それまでの大学病院が結構忙しかったので、少人数のスタッフで、無理せず働こうと思っていました。開業当時は医療事務の人1人、心理師さん1人、パートの看護師さんというメンバーでやってたんですよね。でも、想像していたよりたくさんの患者さんにきていただくことができて、来られる患者さんのニーズにどうやって応えていくかを悩むようになりました。自分1人で頑張るのには限界があります。そうやって悩んでいた頃に、少しずつ、信頼できる人と知り合う機会ができて、お願いして、心理師さん、看護師さん、精神保健福祉士さんと、少しずつスタッフを増員していきました。

そして、リワークデイケアをやりたいということをスタッフに相談し、スタッフにプログラムを考えてもらいました。そして、参加希望者を募って、リワークデイケアを開始する事になりました。

この話、もう少し続きます。