今年の春、久しぶりに学会に一つ入会しました。
医者の世界って、本当に学会がいっぱいあります。
ほとんどの医者が、自分の専攻科のメインの学会には入会していて、そこの専門医をとっていると思うんですね。それから、さらに自分の興味のある分野に関する学会にいくつか入会するようになります。

私も大学病院にいる頃に、いくつかの学会に入会しました。
あと、いろいろと勉強していく上で、資格を取ることにすごくこだわっていた時期がありました。資格が取れると、自己肯定感が上がるんですよね。達成感があります。どうせ一生懸命勉強するなら、何か成果が欲しいというのは、受験勉強を頑張っていた名残のように思います。

でもしばらく育児、仕事とバタバタしているうちに、資格を取りたい熱は下がってきていました。特に開業すると、毎日が外来業務で、仕事量がぐっと増えました。そのため、仕事が終わった後にもうひと勉強するだけの気力が残っておらず、いろいろ気になる情報はあるものの、情報収集する時間がうまく取れずにいました。まあ、自分のために遊ぶ時間も大事ですので、仕事の後はゆっくりする時間に当てていたんですね。

しかし最近やっとこの開業生活にも慣れてきて、体力的、気力的余裕が戻ってきました。それと、開業して働く中で、もっと自分の専門性や、自分の目指したい方向性を考えたり意識したりすることが増えてきて、その自分の方向性を周りに分かってもらう、納得してもらうためにも、専門医や認定医の資格をもう少し取得したい気持ちも出てきました。

実際、患者さんが、通院する先の先生がどれくらい専門医や認定医を持っていることを意識されているかは分かりません。私も自分が内科や耳鼻科、産婦人科に行くのに、資格はそんなに気にしていないというか。評判や口コミだったり、実際自分が行ったときにどのように対応してもらえたか、それらが通院を続ける判断材料になりますよね。なので資格を取りたいのは、やっぱり自己満足的なところは大きいかなと思います。

でも、どの学会も、専門医や認定医は簡単には取れません。学会に参加し、場合によっては学会で発表して、試験を受けて、面接があるところもあります。一定の条件をクリアしないと取れないし、取得したのちにも、研鑽の継続が求められます。

医学は進歩し続けていきます。常に新しい情報に触れる機会を作っておかないと、いつの間にか自分のしている治療が古いものになってしまう。そして、学んだ知識を活かせる機会が、毎日提供されるというのは、やりがいがあることでもあります。なんだかんだ言って、知識を吸収する知識欲が強いんですよね。自分の知識欲を満たしつつ、それを患者さんに還元していきたいなと思います。