精神科医のつぶやき「実際に、心理学科の新卒の方に来てもらった場合の業務を考えました|Bルート指定施設になるのは大変そうです その3」 (2025/05/26)
投稿者: furujinmachi
公認心理師のBルート指定施設になるためのプログラムを思案中です。
実際、当院に心理学科大学卒の方に就職していただいた場合に、どのような業務をしていただきたいかを考えました。しっかり働いて、実践を積んでいただきたいと思っています。
1年目
新患の予診・診察の陪席(週10人程度)
リワークデイケア運営の補助(年3クール実施、1回3ヶ月で記録も含め1クールあたり96時間程度)
リワークデイケアのミーティング参加(リワークデイケア開催時期に合わせて週1回1時間)
心理検査の陪席、記録作成(週2回程度)
公認心理師の面談陪席、記録作成(週2回程度)
精神保健福祉士の面談陪席、記録作成(週1回程度)
再診患者との簡易面談
医師の産業医面談の陪席、記録作成(週1回程度)
親子面談の陪席、記録作成(週1回程度)
大学院生の実習の対応(年間3人、一人あたり40時間)
業務の振り返り(週1回程度)
2年目
新患の予診の実施、記録作成
リワークデイケアの実施、記録作成
リワークデイケアのミーティング参加
心理検査の実施、記録作成
公認心理師・精神保健福祉士の面談陪席、記録作成
ケースの担当
再診患者との簡易面談
医師の産業医面談の陪席、記録作成
親子面談の陪席、記録作成
大学院生の実習の対応
業務の振り返り、スーパーヴィジョン(週1回程度)
3年目
2年目に引き続く。ただし面談の陪席を減らして、実際の担当のケースを増やす。
やっていただけることは思ったより多く、たくさんの経験が積めるのではないかと思います。当院は普段から多職種で業務分担、連携をしておりリワークデイケアもしておりますので大学院生の実習でも割と好評です。あとはこれで時間を割り振りしておかしくないか、プログラムとしてふさわしい講義的なものを足すか、といった調整になりそうです。
当院で実施している心理検査は、ロールシャッハテスト、PFスタディ、HTPなどの投影法と、自己記入式の簡易心理検査、ブルドン抹消検査、あとは知能検査のWISC、WAISと、発達障害の評価のためのMSPAになります。これら心理検査の陪席をしたのち、実践して経験していただけます。検査件数は、ばらつきはありますがトータルで月に10件は超えると思います。今、心理検査は予約待ち状態になってますので、検査実施者が増えたらそれだけ早く患者さんに心理検査を提供できるのではないかとも思います。
心理療法としては、傾聴を主体とした来談者中心療法、プレイセラピー、認知行動療法、対人関係療法、インナーチャイルドセラピー、サイコシンセシスなどの指導ができます。
当院での特徴やこれまでやっている診療実績に合わせて、あとは日々の振り返り、自己学習、私も含めてスタッフからの講義、ケースカンファレンスなどの時間を確保していく必要がありそうです。私もスタッフもあまり負担が強くなりすぎないよう、皆で分担して指導にあたれるといいのかなと考えています。これでたたき台を作成し、一旦スタッフと相談してみようと思います。