第2回目は、私の思春期に大きな影響を与えた松田優作(敬称略)です。
1973年 彼はTVドラマ「太陽にほえろ!」の“ジーパン刑事”として、颯爽と登場しました。
私は一目見て彼に魅せられました。「世の中にこんなカッコいい男がいたのか」と。
私にとって初めての実物大のヒーローでした。
ジーパン刑事は野性的な印象でしたが、松田優作はその役を演じるために、アクションシーンはもとより走り方・受話器の持ち方・煙草の吸い方まで、緻密に研究しこだわりました。

…そう、彼は煙草を吸っていたのです。
今や伝説となった殉職シーンは彼が考えたもので、最期のシーンで煙草がうまく使われています。

当時は今ほど禁煙が取り上げられることはありませんでした。特に男くさい仕事をしている男性が煙草を吸うのは、ごく普通のことだったように思います。
ドラマを見ていても特に違和感などはなく、かえってカッコよさを演出していました。

統計では、1980年成人男性の平均喫煙率は70.2%でした。2015年は31.0%です。
『厚生労働省 最新たばこ情報 成人喫煙率(JT全国喫煙者率調査)』
この35年で、煙草を吸う人と吸わない人の割合が完全に逆転しています。

その後の松田優作が主演したドラマ・映画を通して、私は男のカッコよさを彼から学びました。しかし、何故だか煙草を吸うことは学ばなかったのです。

松田優作のことを語り出すと長くなりますので、続きは次回にします。