ここ数年で、受けるワクチン(予防接種)が急激に増え、戸惑うことが多いと思います。今回は予防接種についてお話したいと思います。
1. 予防接種はどうして必要か?
予防接種は、子供の健康を守るための有効な手段で、基本的には、実際にかかってしまうと確実な治療法のない疾患に対しおこなわれます。
現在でも重症合併症のこわい病気から子供を守るためのもの(麻疹、ヒブ、肺炎球菌、結核、百日咳など)、海外ではまだ流行があり中止すると再び流行のおこる恐れの大きいもの(ジフテリア、ポリオ、日本脳炎など)、常時感染の機会があり災害時の社会防衛上必要なもの(破傷風)、次世代への影響を阻止するためのもの(風疹)と大きく4つに分類されます。
2. 予防接種の種類、接種方法
ワクチンには、生ワクチン、不活化ワクチンがあります。生ワクチンは弱毒化した病原体を生きたまま接種して感染を起こさせ、免疫を得るもので、麻疹(はしか)、風疹、水痘(みずぼうそう)、おたふくかぜ、ロタウイルス、BCG(結核)が挙げられます。不活化ワクチンは細菌、ウイルス、毒素を加熱や薬による処理で不活化したもので、接種後一定期間経過すると免疫が低下します。B型肝炎、ヒブ、肺炎球菌、四種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ)、日本脳炎、インフルエンザ、A型肝炎が挙げられます。
予防接種の間隔は、生ワクチン接種後は27日以上あけ、不活化ワクチン接種後は6日以上あけます。
ヒブ、肺炎球菌、ロタウイルス、B型肝炎ウイルス、百日咳菌(四種混合に含まれます)は乳児期にかかってしまうと、重症化しやすく命にかかわったりする場合もあります。生後6ヶ月までに、必要な接種回数を済ませておきましょう。世田谷区では本年4月からBCGも個別接種となりました。生後5〜8ヶ月をめどに接種するのがいいでしょう。母子免疫の有効性の違いで麻疹は生後8ヶ月以降、風疹は生後10ヶ月以降にかかりやすくなります。1歳のお誕生日がきたらMR(麻疹と風疹)ワクチン、水痘、おたふくかぜなどを接種しましょう。麻疹ワクチンに関しては家庭内や施設内の流行状況、患者との接触などを考慮し接種時期を早めることもあります。そのような場合は医師と相談しましょう。
3. 同時接種
現在1歳になる前に6種類、15〜16回の予防接種を完了する必要があります。お子さんが、怖い病気にいつかかるかは誰にもわからず、いつも体調がいいとは限りません。必要な免疫はなるべく早くつけてあげる必要があり、同時接種(2種類以上のワクチンを1回の通院で接種すること)が有効になります。同時接種の医学的なデメリットはなく、来院回数を減らすことになります。
4. 予防接種の副反応
不活化ワクチンは接種後48時間以内に発熱や注射部位が腫れることがありますが、大部分は2〜3日で消失します。生ワクチンは、接種後7~10日前後に発熱や発疹などのその病気の症状が軽く現れることがあります。
万が一、重い副反応が起こったときには、医療費、保証金や介護手当の支給などの救済制度があります。
1. 予防接種はどうして必要か?
予防接種は、子供の健康を守るための有効な手段で、基本的には、実際にかかってしまうと確実な治療法のない疾患に対しおこなわれます。
現在でも重症合併症のこわい病気から子供を守るためのもの(麻疹、ヒブ、肺炎球菌、結核、百日咳など)、海外ではまだ流行があり中止すると再び流行のおこる恐れの大きいもの(ジフテリア、ポリオ、日本脳炎など)、常時感染の機会があり災害時の社会防衛上必要なもの(破傷風)、次世代への影響を阻止するためのもの(風疹)と大きく4つに分類されます。
2. 予防接種の種類、接種方法
ワクチンには、生ワクチン、不活化ワクチンがあります。生ワクチンは弱毒化した病原体を生きたまま接種して感染を起こさせ、免疫を得るもので、麻疹(はしか)、風疹、水痘(みずぼうそう)、おたふくかぜ、ロタウイルス、BCG(結核)が挙げられます。不活化ワクチンは細菌、ウイルス、毒素を加熱や薬による処理で不活化したもので、接種後一定期間経過すると免疫が低下します。B型肝炎、ヒブ、肺炎球菌、四種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ)、日本脳炎、インフルエンザ、A型肝炎が挙げられます。
予防接種の間隔は、生ワクチン接種後は27日以上あけ、不活化ワクチン接種後は6日以上あけます。
ヒブ、肺炎球菌、ロタウイルス、B型肝炎ウイルス、百日咳菌(四種混合に含まれます)は乳児期にかかってしまうと、重症化しやすく命にかかわったりする場合もあります。生後6ヶ月までに、必要な接種回数を済ませておきましょう。世田谷区では本年4月からBCGも個別接種となりました。生後5〜8ヶ月をめどに接種するのがいいでしょう。母子免疫の有効性の違いで麻疹は生後8ヶ月以降、風疹は生後10ヶ月以降にかかりやすくなります。1歳のお誕生日がきたらMR(麻疹と風疹)ワクチン、水痘、おたふくかぜなどを接種しましょう。麻疹ワクチンに関しては家庭内や施設内の流行状況、患者との接触などを考慮し接種時期を早めることもあります。そのような場合は医師と相談しましょう。
3. 同時接種
現在1歳になる前に6種類、15〜16回の予防接種を完了する必要があります。お子さんが、怖い病気にいつかかるかは誰にもわからず、いつも体調がいいとは限りません。必要な免疫はなるべく早くつけてあげる必要があり、同時接種(2種類以上のワクチンを1回の通院で接種すること)が有効になります。同時接種の医学的なデメリットはなく、来院回数を減らすことになります。
4. 予防接種の副反応
不活化ワクチンは接種後48時間以内に発熱や注射部位が腫れることがありますが、大部分は2〜3日で消失します。生ワクチンは、接種後7~10日前後に発熱や発疹などのその病気の症状が軽く現れることがあります。
万が一、重い副反応が起こったときには、医療費、保証金や介護手当の支給などの救済制度があります。