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April 2014 の投稿一覧です。
カテゴリー: 気になる症状
投稿者: shukuya
皮膚に現れるブツブツ・ボツボツ(発疹)には放置して良いあせもから、入院治療が必要なものまであり、原因としてはアレルギー反応、ウイルス感染、細菌感染、原因不明(川崎病等)と様々です。
ここでは比較的頻度の高いもの、重症化しやすいものなどについて述べたいと思います。
なおアトピー性皮膚炎はアレルギー反応のひとつですが、別項をご参照ください。

1. アレルギー反応

即時型食物アレルギーの誘発症状として、皮膚症状は突出して頻度が高い症状です。原因食物を摂取して2時間以内(多くは食べた直後から30分以内)に症状が誘発されます。その他アレルギー反応で出現する症状は粘膜(顔や唇が腫れぼったくなるなど)、呼吸器(息苦しく、声がかすれる。また呼吸困難を伴う咳など)、消化器(繰り返す嘔吐、腹痛など)、神経(意識がもうろうとしている、呼びかけても反応しない、尿や便をもらすなど)、循環器(唇や爪が青白い、脈が触れにくいなど)など多彩です。複数臓器に症状をみられるものをアナフィラキシーといい、至急受診が必要ですし、特にかっこ内にある症状がみられたら救急車を呼んでください。
皮膚だけの症状で落ち着いたとしても、摂取した食品のリスト(加工品などでは成分表など)をとっておいて、受診時にお伝えください。診断に役立ちます。

2.ウイルス感染 

麻疹(はしか)は感染力が極めて強く、かかると重症になります。はじめの2,3日は発熱、咳、鼻水、眼の充血、めやになど風邪のような症状だけで、麻疹にかかってるとはわかりません。熱は一時的にやや解熱したあと、また上昇し、そのとき少し盛り上がった赤い発疹が首、顔、全身に広がり、ようやく麻疹であったと気づかれます(発熱4日目頃)。肺炎や脳炎など死亡や後遺症の原因となる合併症もおこします。麻疹に効く薬はありません。

風疹は俗に「三日ばしか」といわれますが、麻疹とはぜんぜん関係ありません。発熱と同時に発疹が出て、発疹は2~3日で消えます。妊娠初期に妊婦がかかった時は大問題となります。妊娠5ヶ月頃までに風疹にかかると、おなかの中の赤ちゃんが「先天性風疹症候群」という障害が残ることがあるからです。これは生まれつき目が見えなかったり、耳が聞こえなかったり、心臓の奇形など重大な障害です。
麻疹や風疹を予防するにはワクチン接種しかありません。一歳のお誕生日を過ぎたらMR(麻疹と風疹)ワクチンを受けましょう。

水痘(水ぼうそう)
は母体からの免疫が移行しにくく、赤ちゃんでもかかります。かゆみの強い小さな水ぶくれ(周りが赤くなります)が全身(頭の有髪部,粘膜にも)に広がります。水ぶくれから、かさぶたになったものまで新旧の発疹が混在するのが特徴です。感染力が強く、かかると保育園・幼稚園・学校は1週間ぐらいお休みになり、外出ができません。一歳のお誕生日を過ぎたら水痘ワクチンを受けましょう。MR(麻疹と風疹)ワクチンとの同時接種も可能です。

突発性発疹
は生後6ヶ月から1歳半位までの間にかかります。高熱のみ3~4日間続き、解熱から24時間以内に赤い発疹が出ます。発疹が出るまでは医師も「突発性発疹らしい」としか言えません。下痢を合併することもありますが、熱の割に元気があり、心配になるようなことはほとんどありません。

手足口病は口の中、手掌、足底に小水泡がでます。発熱は軽度か無熱です。治療をしなくても自然に治る場合がほとんどです。のどが痛くて食べられないときには、脱水症にならないよう水分の補給には気をつけてください。  
  
水いぼは、水を持った発疹以外の症状はなく、治療をしなくても6ヶ月~2年の間にしばしば自然消退します。とったほうが良いか?とらないほうが良いか?医師の間でも議論の分かれるところです。

以上簡単に述べましたが、ウイルス性のものは他人にうつすおそれが多いものばかりです。発熱と発疹があり受診する際には、事前にお電話をいただくか、来院時には、受付にお伝えください。別室(隔離室)をご案内させていただきます。

3.細菌感染 

細菌感染で発疹を起こすものの代表としては溶連菌があげられます。
溶連菌に感染すると、皮膚に小さな赤いブツブツがいっぱい出て、舌にもイチゴのようなブツブツがでて、咽頭炎などもおこします。他の子どもにうつす可能性がありますが、よく効く抗菌薬があり、溶連菌感染自体はこわくありません。しかし、続発症として急性腎炎、リウマチ熱をおこすことがあるため、抗菌薬は10日間続けて内服しましょう。

とびひは、皮膚のブツブツにうみや汁があります。皮膚の小さな傷から細菌が侵入して起こります。侵入する細菌はブドウ球菌、溶連菌がほとんどです。当院ではイソジンゲル入りの軟膏と場合により抗菌薬内服で治療します。


4.川崎病
川崎病は抗菌薬が効かない高熱が続き、両目が赤く充血し、唇が真っ赤になり、舌がイチゴのように赤くなり、様々な発疹ができ、手足が硬く腫れ、手のひらや足の裏が全体に赤くなり、首のリンパ節がはれる病気です。残念ながら原因はまだ分かっていませんが、そばにいてうつる病気ではありません。
川崎病のこどもは冠動脈に後遺症を残すことがあり、川崎病の疑いがあると入院となります。原因は不明でも、現在は後遺症の治療法も検査法も確立されています。

カテゴリー: 気になる症状
投稿者: shukuya
一般的にはわきの下で計って37.5℃以上の場合を発熱とします。
こどもは、ちょっとした環境の変化で体温が上がりやすいものです。特に小さいお子さんは熱がこもりやすいので、身体が熱く感じられても元気があれば着る物を薄くして、わきの下の汗をふいてからもう一度体温を測り直してください。

健康なこどもの体温は様々な因子で変化します。
測定時間:朝は低めで、夕方は高めです。
測定部位:わきの下で計るより耳で計った方が高い人、逆に耳で計った方が低い人など個人により様々です。
年齢:小さいこどもほど平熱が高めです
生活環境:授乳後、入浴後、泣いたときなどは体温が高くなります。赤ちゃんは厚着や暖房などの影響で、高く測れてしまうことがあります。
体温計の種類:水銀体温計は正確ですが、5分以上はさんでおくことが大切です。短時間で測れる電子体温計・耳式体温計は便利ですが、水銀体温計よりいくぶん高く(低く)出ることがあります。

体調の良いときに、いつも使用する体温計を用いて同じ測定部位で朝夕の体温を測定し、お子さんの正常体温を把握しておくと良いでしょう。

お子さんの発熱は夜間に多く経験されます。まず最初に病気の重症度をチェックしましょう。意識がおかしい(とろとろ眠ってばかりで呼びかけに応じない。つねってもまったく反応がない)、生後3ヶ月未満の赤ちゃんの38℃以上の発熱、顔色が青白い、無表情でぐったりして動こうとしない、嘔吐や下痢を繰り返す、呼吸が苦しそう、水分摂取ができない、おしっこが半日以上でていない、ともかく何となくおかしい…………。このような場合、とりあえず様子を見るのではなく、早急に救急外来への受診が必要です。

発熱があっても元気が良く笑顔があり、重症でないと判断できたら、まずは、こまめに水分を補給し脱水を防ぐことが大切です。
熱の上がりかけに「さむけ」があるときには、毛布などで温めてあげても良いでしょう。熱が上がりきり手足・顔がほてってきたら、薄着にして、嫌がらなければ頭や腋(わき)や足の付け根を氷枕やおしぼりで冷やしてあげましょう。高熱(38.5℃以上)でつらそうなときは、状況に応じて解熱剤を与えて構いません。解熱剤の中には小児には使ってはいけないものもありますし、体重によって使用量が違います。解熱剤はかかりつけ医の指示に従って本人に処方された薬のみを使ってください。

発熱が認められたら、少なくとも朝昼晩の体温を測定してください。病気の診断をするうえで、熱型表(体温の推移グラフ)は非常に大切な情報源となります。また病院を受診した後も、その後の経過や処方したお薬の効果があったかどうかなどの判断材料になります。1日の最高体温が低下傾向であれば回復傾向にあると判断して良いでしょう。