ヘルパンギーナとは4歳以下の乳幼児の間で流行する代表的な夏かぜの一つで、エンテロウイルス(主にコクサッキーウイルス)によって起きます。38〜40℃の熱が2〜3日続きます、喉の奥の口腔粘膜に小さい水ぶくれをつくり、痛いので、食べられなくなります。ひどいときは水分ものめなくなり、脱水症になることがあります。

かかりはじめから治るまで
突然熱が出てなかなか下がりません。一日以内に解熱する割合が10%,一日以上まる二日以内に解熱するのが80%,二日以上続く場合が10%ぐらいで,熱が下がりにくいのが特徴です。のどの粘膜が赤くなり、口蓋垂(のどちんこ)の根元の両脇に小さい水疱が二、三個から十数個できます。この水疱は間もなく破れて、アフタ(浅い潰瘍)になり、消えるのに四、五日かかります。
水疱は熱と同時にでるとは限らず、一日遅れてでた場合には初診時にこの病気とわからず「普通のかぜ」と区別がつかないこともあります。
咳や鼻水はほとんどみられません。

治療
熱やのどの痛みをおさえる薬を処方します。

手当てのポイント
飲み込むときに痛みがあり、食欲はあっても、ものを食べたがりませんので、なるべく口当たりの良い食事にして下さい。味の濃いもの、酸味のあるもの、熱いものあるいは硬いものは嫌がります。冷たいものは大概平気で、ヨーグルト、アイスクリーム、プリン、ゼリー、さめたおじや、とうふ、冷えたグラタン等は好んで食べてくれるでしょう。カロリー量の減るのは仕方ないとしても、水分摂取を十分にして脱水症にならないようにして下さい。オレンジジュースなどのすっぱいものはしみます。冷えた牛乳や麦茶、味噌汁、冷たいスープなどがよいでしょう。
入浴は高い熱があるときや元気がないとき以外はかまいません。
水分をあまりとれない、元気がなくてぐったりしている、頭痛や嘔吐、発熱が続く場合は主治医に相談しましょう。
感染力が強く二日から七日の潜伏期間後に、兄弟のどなたかが熱を出せば、同じ病気かもしれません。

保育所・学校
出席停止について明記された疾患ではありません。
熱が下がって口の痛みがなくなるまで休ませましょう。

原因となるウイルスは何種類もありますので、一回かかれば終わりというわけではありません。一夏のうちに二回かかる場合もあります。