平成22年4月1日より,月,水,金の午後の診療時間を変更させていただきました。お間違えのないようよろしくお願いいたします。

生活習慣病予防に運動が有用であることには異論がないでしょう。この際の運動としては,適度な有酸素運動を一定時間,できれば30分以上続けて行うことが肝要です。100メートルを全力疾走しては30分休憩してまた全力疾走,というような運動の仕方は,心肺機能の強化にはよいのかも知れませんが,生活習慣病予防にはあまり向きません。第一,高齢者の方々にこんな運動無理ですよね。「適当な有酸素運動」とは,運動時の心拍数に対して安静時の心拍数が60~70 %くらいになる程度の強度がよいと考えられています。安静時の心拍数が毎分70回ならこれが110回前後になるくらいということになります。比較的誰にでも出来てこの強度に合致する運動となると,速歩で歩くというのが一番でしょう。

周辺に気持ちの良い散歩道でもあればよいのですが,私の場合はもっぱらジムでベルトコンベアーの上を歩いています。ただ歩くのは退屈なので,歩きながら読書をします。面白い推理小説やサスペンスものなどを読んでいると1時間くらいあっという間に経ちますし,時には政治,経済もののノンフィクションや医学雑誌で情報収集もできます。

そこで,最近私がはまっているのが,リーボック社から発売されているイージートーンというシューズです。ちょっと色っぽいTV-CMに見覚えのある方もいらっしゃることでしょう。何を隠そう私も,そのCMで知って早速購入しました。この商品は靴底,つまり接地面が球面になっているところがみそです。これによって歩行時足もとの安定性がやや悪くなるために,余分に下肢の筋肉を使うことになり,筋力強化や脂肪燃焼につながるというのです。

実際使用してみるとこれがなかなかいい!不安定になるといっても決して転んでしまいそうになったりするわけではなく,なんとなくふわふわとスポンジの上を歩いているような感じで,膝関節への負担が少ないように思います。私はいつも同じ速度でベルトコンベアー上を歩いているのでよくわかるのですが,普通のスニーカーで歩いた場合と比べて,確かに下肢の筋肉に効いている感じがします。特にふくらはぎや大腿後部の筋肉によく効いているようです。それでいて,息が切れが早くなったり,そのせいで歩行距離や歩行時間が短くなったりするようなことはありません。きれいな脚をお望みの向きには,結構お勧めかも知れません。

しかしこの靴,考えてみればわざわざ歩行を不安定にしているわけだから,靴としては欠陥品ですよね。でも,その欠陥が現代社会のニーズに合っている。何だか皮肉な話です。