今日は脂質異常症について勉強しました。
脂質異常症は主に高コレステロール血症と高中性脂肪血症に分けられます。とくに動脈硬化に良くないのは高LDL(=悪玉コレステロール)血症で、最近はよく効く薬(スタチン)が多数あります。
一方の中性脂肪はLDLコレステロールほどには注目されていませんが、とくに糖尿病患者さんには悪影響が出やすいようです。中性脂肪を下げるフィブラートという薬は、最近の研究によると網膜症や腎症といった糖尿病の合併症を緩和する可能性が指摘されています。
最近は脂質のコントロールはゆるくてよいのではないかという議論があります。週刊誌などを見て不安に思われる患者さんもおられると思います。私個人の考えでは、個々の患者さんによって薬を使うべきかどうかや、治療目標値は違ってきますので、一律には言えないと思います。年齢だけをとってみても、例えば75歳を超えた方に動脈硬化予防目的にコレステロールの薬を投薬すべきなのかはデータがありませんし、逆に高齢になったからこれまで飲んでいた薬をそろそろやめましょうかというのも失礼かと思います。もちろん、実際には年齢以外にもたくさんのことを考慮して投薬しています。
気になることがあれば遠慮なく申し出て頂いて、ご自身も一緒になって考えて頂けたらと思います。
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