あべともここどもクリニックのブログ
ブログを開設しました! (2015/08/26)
投稿者:
abetomoko
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abetomoko
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インフルエンザ、ウイルスと細菌
毎年、秋になればクリニックもインフルエンザワクチン接種の予定を立てなければなりません。
インフルエンザには「ウイルス」と「細菌」があり、まったく別物です。
毎年、流行し、秋以降に子供から大人までワクチンを接種するのがインフルエンザウイルスに対してのもの。乳幼児にヒブと呼ばれるワクチンを接種しますが、こちらはインフルエンザの細菌に対する予防接種です。ヒブの名称は菌の正式名称であるHaemophilus influenzae type bからつけられました。
一般に、“インフルエンザ”といえば、ウイルスの方を指しますが、ではなぜ、ウイルスと細菌という2種類のインフルエンザがあるのでしょう?。
インフルエンザウイルスの感染症は古代エジプト時代からあったとされるくらい、大昔から流行があったようです。急に高熱で多くの人が次々と倒れる。大昔はきっと今以上に恐怖の現象だったでしょう。2009年、世界的に新型インフルエンザがパニックになりましたが、この現代になっても恐怖でしたね。“宇宙から何だか悪い影響がきているのではないか”。昔の人は思いました。
その悪い“影響”=influenceがインフルエンザの語源とする説があります。
世界の学者はその原因を我先に発見しようと頑張ったのでしょう。1800年代の終わり、インフルエンザの患者の痰から新種の細菌が発見されました。この発見者が日本の北里柴三郎かドイツ人かという議論があります。この細菌がインフルエンザの原因であるとして、当初、“インフルエンザ菌”と命名されました。しばらくの間、本当にこの細菌が昔からのインフルエンザの原因であるのか、議論がありました。1800年代から1900年代初頭は細菌よりも小さい微生物であるウイルスの証明は困難だったのでしかたありません。しかし、1933年、イギリスの研究者らがついにインフルエンザウイルスA型のウイルスを発見し、ようやく、古来からのインフルエンザの原因として証明されました。
一方、悪く言えば“間違ってインフルエンザの原因とされてしまった”インフルエンザ菌。しかし、かわいそうどころか、現在でも乳幼児の細菌性髄膜炎などの原因として微生物学や小児科感染症では主役のひとつです。
インフルエンザ、ウイルスも細菌(ヒブ)も予防接種がありますが、接種時、これらの事を思いながら接種を受けると、痛みも一味違うかも知れません。(松田)
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abetomokoさんのコメント
毎年、秋になればクリニックもインフルエンザワクチン接種の予定を立てなければなりません。
インフルエンザには「ウイルス」と「細菌」があり、まったく別物です。
毎年、流行し、秋以降に子供から大人までワクチンを接種するのがインフルエンザウイルスに対してのもの。乳幼児にヒブと呼ばれるワクチンを接種しますが、こちらはインフルエンザの細菌に対する予防接種です。ヒブの名称は菌の正式名称であるHaemophilus influenzae type bからつけられました。
一般に、“インフルエンザ”といえば、ウイルスの方を指しますが、ではなぜ、ウイルスと細菌という2種類のインフルエンザがあるのでしょう?。
インフルエンザウイルスの感染症は古代エジプト時代からあったとされるくらい、大昔から流行があったようです。急に高熱で多くの人が次々と倒れる。大昔はきっと今以上に恐怖の現象だったでしょう。2009年、世界的に新型インフルエンザがパニックになりましたが、この現代になっても恐怖でしたね。“宇宙から何だか悪い影響がきているのではないか”。昔の人は思いました。
その悪い“影響”=influenceがインフルエンザの語源とする説があります。
世界の学者はその原因を我先に発見しようと頑張ったのでしょう。1800年代の終わり、インフルエンザの患者の痰から新種の細菌が発見されました。この発見者が日本の北里柴三郎かドイツ人かという議論があります。この細菌がインフルエンザの原因であるとして、当初、“インフルエンザ菌”と命名されました。しばらくの間、本当にこの細菌が昔からのインフルエンザの原因であるのか、議論がありました。1800年代から1900年代初頭は細菌よりも小さい微生物であるウイルスの証明は困難だったのでしかたありません。しかし、1933年、イギリスの研究者らがついにインフルエンザウイルスA型のウイルスを発見し、ようやく、古来からのインフルエンザの原因として証明されました。
一方、悪く言えば“間違ってインフルエンザの原因とされてしまった”インフルエンザ菌。しかし、かわいそうどころか、現在でも乳幼児の細菌性髄膜炎などの原因として微生物学や小児科感染症では主役のひとつです。
インフルエンザ、ウイルスも細菌(ヒブ)も予防接種がありますが、接種時、これらの事を思いながら接種を受けると、痛みも一味違うかも知れません。(松田)